鎮静と全身麻酔

鎮静と全身麻酔は連続しており、手術中に行ったり来たり。

鎮静下で手術をされたことのある先生、こんな経験はありませんか?

  1. 最初は、じっと静かにしていてくれる
    ・もうろうとしている、または寝息をたてている
    ・寝ているようにみえても、口をあけてくださいというと、指示に従う
    (=鎮静状態)
     
  2. しだいに異常が生じる
    ・多弁になる
    ・制止しても術野に手を持ってくる
    ・激しくむせる
    ・頭を左右に振る。体をくねらせる
     
  3. そこでさらに鎮静剤を追加すると静かになる
    開口器がないと開口を維持できなくなり、いびきをかく


鎮静を行うことで意識は低下するので、眠っているように見えます。
しかし、局所麻酔が奏効していない場所に触れると、体動が生じます。
誤解が多いのはこの点です。
鎮静剤を投与されても、痛みや刺激を受けたときに生じる体動は止まりません。
(鎮静法には患者自身の理性による自制が不可欠。ですから、協力ができない患者は鎮静法の適応ではありません。)

刺激を与えても嫌がらない(=動かない)状態とは、もはや鎮静状態ではなく、全身麻酔ともいえる状態です。
静かで一見平和なようですが、本当はその場所の全員が緊張するべき状況です。

 

安全で円滑に鎮静下手術を行うために、鎮静中は以下の点に留意をお願いいたします

  1. 下顎を圧下する動作は気道を閉塞して呼吸を困難にします。
  2. 開口器は嚥下機能を障害します。誤嚥防止のために注水量は最小限に止めてください。
  3. 気道確保されていない場合には、意識がある方が安全です。
  4. 助手は完全な吸水に努めてください。さらに術者が下顎を圧下させた時、手を添えて拮抗してください。
  5. 手術中は手術だけに集中してください。(手術中に他の患者を治療するために中座をしない)
  6. 麻酔管理を行う手術時は,いつも以上に詳細な手術計画を準備してください。
  7. できるだけ短い時間で手術を終了してください。

上記のように全員の集中力と緊張感が必要とされるものが静脈内鎮静法です。
2時間以上、注水を伴う歯科処置および口腔外手術を行うならば、8年間約3300例の出張麻酔経験から、鎮静法よりも(施行者は熟練した専門医に限るが)気道を確保した全身麻酔のほうが安全であると考えます。入院設備の無い施設であっても相当の準備をし、歯科処置・手術を全身麻酔下で施行している施設は全国に多数あります。

全身麻酔様の鎮静を施行しないで、air wayの使用や挿管を考慮すべるきです。
麻酔器が設置されている、笑気吸入鎮静器が設置されている、酸素ボンベのみなど、準備の状況で施行可能な鎮静の深度はことなります。


さらに詳しく
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下記の画像をクリック
IntravenousSedation.jpg


患者さんの安全を保ちつつ、円滑な手術を行うために、静脈内鎮静法使用時には特に注意したいことを2分弱のビデオにまとめました。
出演者は全員ボランディアの歯科医師です。

「鎮静下手術の時に実際にあった、笑えない笑劇場」

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